保険診療の限界と自費治療の今後

整骨院の経営を考えた場合、保険診療と自費治療の今後の関わり方をしっかり考えていく必要があります。そこを抜きにして今後の接骨院経営は語れないといえます。

この記事では、整骨院の保険診療の限界と、自費治療の今後についてお伝えします。

 

保険診療の限界

最近、特に競争の激しい都市部の接骨院では、自費治療を導入して保険診療以外の収入を得ようとする院が増えてきました。さまざまな理由があるでしょうが、大きな理由のひとつが、保険頼りの整骨院経営の不安や限界です。

このブログで何度も書いていますが、すべての整骨院がみんな揃って保険診療のみで経営をしていくことには無理があります。

もちろん中には療養費支給申請を適正に行ったうえで、それでいて保険診療だけでがっぽがっぽ儲かっています!なんて整骨院もあるとは思います。でもそんなのはやはり少数派で、今後はもっと減っていくでしょう。

 

保険診療の限界1:需給バランスが崩れている

平成26年の時点で全国の柔道整復師の数は63,873名です。平成16年時点だと35,077名ですので、たった10年で倍近くに増えていることになります。

それに対し、接骨院で柔道整復師が行う施術は、簡単に書くと外傷です。

いろいろと表現があって、非観血的療法がどうたらこうたら、急性・亜急性がどうたらこうたらと言い換えることはできると思います。でもようは、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷などの外傷なわけです。これを読んでいるあなたはおそらく柔道整復師だと思いますので、こんなこと言われなくてもわかっていると思いますが(^-^;

では、柔道整復師や接骨院を供給、外傷患者さんを需要とした場合、どうみても供給過多なんですね。接骨院多すぎ!柔整師多すぎ!という状態なわけです。

そうすると、整骨院で扱う外傷に関していえば、多すぎる供給側が淘汰されるのはいたって自然な流れといえます。

 

保険診療の限界:決定権がない

接骨院に限らずどんな商売でも売り上げを構成する公式は以下です。
新規(顧客数) × リピート頻度 × 単価 = 売り上げ

普通の商売であれば、この3つの要素をどう増やしていくかは、その商売をやっている人の自由です。どこでも好きなところを企業努力で伸ばしていけばいいわけ。

でも接骨院ではそうはいきません。

保険診療で考えると、外傷以外は顧客になり得ません。いくら患者さんが望んだとしても、法律上保険で慢性症状を扱うことはできないからです。(やっちゃってるんですが)

また、リピートに関してもそうです。例えば保険の関係ない整体院などを経営していたとすれば、患者さんが毎日来ようが、それこそ1日3回来ようがまったく問題ありません。でも接骨院で保険を使って毎日、そして何年間も通ってもらうなんてことはどう考えても無理があります。(転がしちゃってるんですが)

単価にいたっては、自分でコントロールできない最たるものです。療養費を自分で決定することはできません。昨日柔整師になった新人でも、30年やっているベテランでもその技量には関係なく一律しか請求できません。

つまり、なにをするにも制限が掛かってしまうんですね。

これが規制でがっちり守られている業界であれば、まだ大丈夫だったかもしれません。でも福岡裁判以降、アホほど柔整師が増えるわ、部位数も減るわの状態になった現在、決定権のない保険診療だけでは限界に来ているといえます。

 

キャッシュポイントとして自費治療を導入する

保険診療だけでは整骨院の経営が立ち行かなくなってきている。

ということは必然的に、それ以外になにかキャッシュポイント(収入源)を持たないとあなたは食べていけないということになります。

そのキャッシュポイントのひとつとして考えらえるのが、自費治療です。なにも自費治療だけが唯一の手段ではありませんが、ひとつの大きな手段であることは間違いありません。

 

これを書いている2016年5月の時点で、自費治療を積極的に取り入れている接骨院はまだまだ少数派です。とくに大阪や東京などではなく地方に限定すれば、自費治療の必要性すらまったく感じていない柔整師も多いのではないでしょうか。

ようはそれでやっていけているからですね。人って実際に困難に直面するか、危機がそこまで来ないとなかなか意識できるものではありませんから。

でも、いずれは日本全国どこの整骨院でも自費を意識せざるを得ない時期が来ます。これは先に書いた「保険診療の限界」を考えれば当然の流れ。ここが変わることはないでしょう。

 

10年後の接骨院内での自費治療

これを書いているのは2016年です。最近の動きとして美容関連医療広告の規制についての議論が多くなっています。この背景にあるのは、医療事故が起こったり苦情や相談件数が多くなってきたことにあります。

そういったトラブルがあると、行政は動くということです。そしてこれと同じことが接骨院業界でも今後は起こるかもしれません。

 

接骨院で自費施術を導入する院が増えると、それに対するトラブルが増える可能性は十分にあります。なぜなら、自費治療の多くは「整体」という名目で宣伝広告がどんどん大胆になっていくだろうと予想されるからです。

そういった誘因性の高い広告によって施術を受けた患者さんから

  • 強引に回数券を買わされた
  • 無理な骨格矯正を受けてケガをした
  • 広告内容と実際の治療が違った。誇大広告だ

といった苦情やトラブルが増えてくれば、行政が積極的に動く可能性があります。

 

また、柔道整復術と整体の明確な線引きはありません。

※厚生労働省に文書にて問い合わせをしても回答がなかったので、医政局医事課に電話で問い合わせをいたしました。そのとき回答してくださった担当者によると、具体的に文書化されたものはないとこことでした。

つまり、「柔道整復術を自費で行っています」といえば通ってしまうので、整体を堂々と接骨院内で行っているんですね。そしてチラシなどの広告に関しては、逆の拡大解釈をして「整体と言ってしまえばなに書いてもいい」と、大胆にいろいろ掲載しているのが現状です。

これが行き過ぎると上記のようにトラブルが増える事態になりかねません。

それにより、柔道整復師法が変わることはないでしょうが、通達などの形で指導強化の方向に向かうことは十分考えられます。

「整体だからなんでもやってもいい」と患者さんを置き去りにして、無節操な営業活動をエスカレートしていくことは、結局のところ全体の規制という形で跳ね返ってくるかもしれません。

僕個人の考えとしては、行き過ぎた煽るような広告が氾濫するのはあまり好ましくないなと思っています。(オマエが言うなといわれそうですが・・・)

また柔道整復から逸脱する施術についての宣伝がしたいなら、法的な環境もできるだけ整えることもおすすめしています。これについては以下の記事で少し触れています。

⇒ 整骨院・接骨院で整体など民間療法を自由診療として行うのは違法か?

 

世間は整骨院をどう認知しているか

とある整骨院経営者の方が、以前こんな経験を話してくださいました。

その方は大阪で2院の接骨院を経営されていました。その2院は保険診療のみで、経営は順調だったそうです。しかし、多くの接骨院がそうであるように、この院も黒に限りなく近いグレーな療養費の請求を行っていました。

このままではさすがにダメだ!そう思い、2院のうち1院を保険適用を少し厳しくしたそうです。するとどうなったかというと、見事に患者さんは減り、売り上げも激減。

ただ、これは当初から予想はしていたので、そこまで驚くことはなかったそうです。驚いたことは別にあって、それは悪い噂や苦情が増えたというのです。

  • ここ整骨院は高い。ぼったくりだ!
  • 他の整骨院なら保険が効いた。保険の効かないここは不親切だ!

といったことをたくさん言われたそうです。
そこで気が付いたことは「説明が圧倒的に足りていなかった」ということ。

接骨院側は法律を守って普通に運営をしているので、それこそなんの説明もいるはずないと思った。でも実際のところ多くの患者さんにはそう伝わっていなかったんですね。

ここから学べることは、従来の保険中心の接骨院から、自費治療などを導入していく経営に方針転換する際には、説明が必要だということです。

 

まとめ

ちょっとまとまりのない記事になってしまいました(^-^;
ということで言いたいことをまとめたいと思います

  • 保険診療に頼った接骨院経営は限界にきている
  • 新たなキャッシュポイント(収入源)のひとつとして自費治療を考えよう
  • 無節操の営業活動は業界全体にとってよくない
  • 世間の考え方と乖離があるので自費治療には説明が必要

以上4点が加藤の言いたいことです。
あなたの接骨院経営の今後になんらかのヒントになれば幸いで

整骨院・接骨院集客経営コンサルタント、加藤

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