整骨院で整体など民間療法を自由診療として行うのは違法か?

このブログでは、整骨院は自由診療しようぜ!
という記事がたびたび出てきます。

それが僕の整骨院経営の軸になる考え方なので、コンサルするうえでも、僕のクライアントさんには、自由診療を強化していくことをすすめています。

そうすると、マジメできっちりされている柔道整復師の先生から
「自由診療を整骨院でやっても(法的に)問題ないんですか?」
といった趣旨の質問をされます。

ということで、今回は整骨院で自由診療を行う場合の関係法規や法解釈などを含めた考え方について。

 

柔道整復師法第20条

まず、自由診療という単語はいろいろと語弊が生まれそうなので
ここでは自費施術とします。

整骨院で自費施術を行う場合、大きく分けて3つあります。

  1. 柔道整復術を自費で行う
  2. あんま、マッサージ、鍼灸などを行う
  3. 整体などの民間療法を行う

 

1番の場合はそこまでの問題はありません。(あるとすれば混合診療うんぬんの問題ですが、今のところ整骨院で混合診療については問題ないと言っていいと思います。)
保険請求できない場合に自費で受けてもらっているだけのケースです

問題は2番と3番です。
ここを考える根拠として以下を参照します。

柔道整復師法 第20条

施術所の構造設備は、厚生労働省令で定める基準に適合したものでなければならない。
2 施術所の開設者は、当該施術所につき、厚生労働省令で定める衛生上必要な措置を講じなければならない。

柔道整復師法施行規則 第18条

法第二十条第一項 の厚生労働省令で定める基準は、次のとおりとする。

一  六・六平方メートル以上の専用の施術室を有すること
二  三・三平方メートル以上の待合室を有すること。
三  施術室は、室面積の七分の一以上に相当する部分を外気に開放し得ること。ただし、これに代わるべき適当な換気装置があるときはこの限りでない。
四  施術に用いる器具、手指等の消毒設備を有すること。

 

自治体によって見解が違う

ここで大事なポイントは、「専用の施術室」という文言。

柔道整復施術をする専用の部屋を用意しなさいという意味です。
専用なので、他の施術、例えばあんまや指圧、鍼灸などはダメということになります。

ということは、最初に示した2番のあんま、マッサージ、鍼灸などを行う。
これをする場合は、別に施術室を設ける必要があります。

ただし、施術者が1人の場合は、(柔道整復、あはきなど複数の資格を持っている先生が1人でやっている状態)特例として同じ施術室を使ってもいいという判断がされています。

 

では次は3番のケース。
整体やカイロプラクティックなど、いわゆる民間療法と呼ばれる施術をする場合です。
これに関しては法の外なので、自治体によって見解が異なるようです。

 

例えば、大阪市の場合、こちらのページに

あはき法又は柔整法に基づく専用の施術室を用いて、整体やカイロ等の民間療法等、他の医療類似行為を業として行うことはできません。と書かれています。

これをみる限りでは、施術室を別にすればOKなのか、整骨院内で民間療法を行うこと自体を禁じているのかは断言できません。(接骨院内で民間療法を行うなよという意味で書いているとは思いますが)

 

東京都北区の場合は、こちらのページに

一定の条件の下で、施術室以外の構造設備を共用することはやむを得ない。
(施術室は専用である必要がある。)
として、その中に「施術所内で民間療法を行う場合 」を挙げています。

そのまま読めば、部屋を分ければ、整骨院内で整体などの
民間療法を行うことは可能だと判断してよさそうです。

 

神奈川県の相模原市の場合は、こちらのページに

施術所内で他の医療類似行為(整体、カイロなど)を行うことはできません。
とはっきり書かれています。

 

つまり、

大阪市 専用の施術室ではできない。他を用意すればOKかどうかは名言せず
東京都北区 他に専用の施術室を用意すればOK
神奈川県相模原市 接骨院内で民間療法はNG

3都市で判断が分かれています。

 

僕はこれまでに数十箇所の保健所に問い合わせをしています。

「施術室を分けていれば問題ない」との回答が比較的多いのですが、他にもいろいろな見解があるようで、回答はさまざまです。

  • 絶対にダメと強い口調で叱責する
  • ものすごーく歯切れ悪く、たぶんできません
  • 入口と待合いを分ければ問題ない
  • 1人整骨院なら同じ部屋でもOK
  • 民間療法は関知しないので勝手にどうぞ

といろんなパターンの答えが返ってきています

 

整体などの自由診療はダメと言われたときの対処法

ということで、最後は管轄の保健所に問い合わせる必要があります。

ただし、問い合わせた結果、もし、整骨院で民間療法を行うことはできない。
そう告げられた場合でもあきらめないでください。

そう言われた場合は、他の自治体では、別に部屋さえ用意すれば、整体などを行ってもいいという判断を下しているところがあることを告げ、厚生労働省(医政局)に問い合わせてください。とお願いしてみてください。

実はこのステップを踏むと、見解を変えてくれる自治体があります。
現に、問い合わせてもらった結果、OKになったことが2度あります。

僕自身、厚生労働省の医政局医事課に過去に何度か問い合わせたことがあります。そこでの回答は2種類ありました。

  • 別に部屋さえ用意すれば、民間療法もOK
  • 構造そのものを別店舗にしなければダメ

という二つの相反する答えが出てきました。(いずれも文書ではなく、口頭での回答ですが・・・)たぶんいまの段階で、きっちりと決まった判断がまだできていないのだと思います。

例えば、整体と柔道整復塾の違いってなに?という質問に明確な答えがありません。なので乱暴な言い方をすれば、「これは柔道整復術です」といってしまえばたいていの手技は通ってしまうかもしれないのです。

そんなこんなで、行政側も現段階ではけっこう回答が曖昧になってしまっているようです。

結論としては、整骨院内で整体などの民間療法を行うのは、別に専用の施術室を用意すればOKが出る可能性もあるので、とりあえず保健所に問い合わせてみてください。

そこでOKが出なければ、ここに書いたように、厚生労働省に問い合わせてください。
と言って、問い合わせてもらう。ちゃんとその担当者が問い合わせさえしてくれれば、保健所の見解が変わることもあります。(実際にこれまでにクライアントでそれを経験しています)

ここまで書いておいてなんですが、ほとんどの整骨院で、こんなこと気にしてないんですよね(~ ~;)普通になんにも考えずに整骨院内で整体やってる

先ほども書きましたあ、そもそも整体ってなに?という定義からしてないので、柔道整復の施術と言ってしまえばそれで通っちゃうんです。

いくつかの保健所と、厚生労働省の医政局医事課に問い合わせいたしましたが、柔道整復術とそれ以外の手技療法との明確な線引きはないというのが回答でした。

鍼やマッサージにしても、いちいち部屋を変えてやっている治療院って少ない。同じ患者さんに、別の慢性疾患などがあって鍼灸などを併用する場合に、いちいち部屋移動させるのってどう考えてもめんどうですしね。

誰のための法律なんだか・・・

接骨院で整体などの民間療法をもっともストレスなく行うのは、別院を作ってしまうことです。
そう簡単に言うなよ。と思われるかもしれませんが、わざわざ別の店舗を借りろという意味ではありません。

接骨院の設備構造を変更して強引に整体院を作ってしまうのです。構造的に無理な場合もありますが、頑張ればなんとかいけるケースも多いです。

この簡単に整体院などの別院を作る方法についてはこちらの記事に書きましたので、気になる先生は参考にしてみてください。
⇒ 整骨院・鍼灸院も整体院を作ればいいんじゃない

整骨院・接骨院集客経営コンサルタント、加藤

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5 件のコメント

  • いつも楽しく拝見させていただいております

    ところでメールセミナー
    (メルマガ)に申し込んだのですが
    反応がありません。

    こちらの手違いでしょうか?
    よろしくお願いします。

  • 違法ではありません。柔道整復師が整骨院内の施術に療術を導入する場合、療術専門の別の施術室を設ける必要も保健所に開設届を出す必要もありません。民間療法というよりプロは療術という名称を使いますよ。
    よく調べてくださいね。

    • コメントありがとうございます。

      違法ではないという根拠を示す、法令などがあるのでしょうか?
      もしあるなら教えていただけると助かります。

      あはきも柔道整復師法も基本的にポジティブリストの形を取っています。
      この問題もまさしくそうで、そもそも民間療法は定義がありません。
      そのすべてを細かく規定するのは無理なので、柔道整復以外がやるなというのが国のスタンスだと解釈しています。

  • 詳しく知りたい方は医事法規をよく勉強すればわかりますよ。柔道整復師は保険適用である急性亜急性外傷の後療法に危険性のないものであれば指圧をはじめ様々な療術を自由に用いてもよいことになっています。現在は大多数の整骨院は後療法が主体であり後療法に電料・罨法以外の様々な療術(手技・物療)を導入していますから、施術できない、と言ったら営業が成り立たなくなりますし、後療法のたびに別の療術施術室で、と言ったら整骨院の施術室の意味がなくなります。こんなおかしな話はありません。おそらく各県の柔道整復師や療術の医事法規に関してに認識不足のお方がそのような指導をしているのだと思います。

    • 引き続き、ご指摘ありがとうございます。

      後療法については多くの保健所で解釈が分かれる部分でもありました。
      これが後療法ではない場合は、NGという意見大多数でした。
      つまり外傷ではなく、最初から慢性などで柔道整復では対応していない場合です。

      こうなると、整骨院ではなくなってしまうので、やはり整骨院内では難しいというのが理由のようです。

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