自費移行に成功した整骨院は過去の不正請求を懺悔しなくていいのですか?

整骨院の自費移行とグレーな請求についてのメルマガを先日、配信しました。
それについて、ド真ん中直球の正論のご意見をいただきましたので、こちらでご紹介します。

僕自身、正直、痛いところ突かれた感がたっぷりあって、無視したい気もしましたが、こういった意見もしっかり受け止めにゃあいけませんので、ご報告いたします。

こちらがメルマガで配信した記事

1年半前に個別コンサルを受けてくださった柔整師の先生から、嬉しい連絡がありました。
自費の割合も9割になって売り上げもなんとか以前とほぼ同じになりました。という内容の連絡

以前と同じってことは、上積みはないということです。それでも本人は喜んでくださっています。社交辞令みたいなもんかもしれませんが(^-^;

もちろん僕だって嬉しいです。そりゃ、そのために仕事やってんだから

 

2年前、この先生は奥さんにこんなことを言われました
「あなたはそんなことやってないよね?」と

そんなこととは、不正請求のこと。この先生の奥さんは、ママ友さんから整骨院は不正請求をしている!なんてことを聞いたそうです。

まさかウチのダンナに限ってそんなことはやってないはず!とは思ったものの、念のため聞いてみた。それがさっきのセリフ「あなたはそんなことやってないよね?」です

この問いに対して、この先生はこう答えたそうな
「ゴメン、ちょっとだけやっている」

本当はバリバリやっていました。
でも嘘をついて、過少申告でちょっとだけと答えた

その結果、どうなったかというとそれが原因で何回も夫婦ケンカをするようになった。

 

奥さんの言い分はこう。
不正はするな。でも収入が減るのは困る

先生の言い分はこう。
俺だって不正はしたくない。でもそれだと稼げない。

そりゃ、ケンカになるわ

それで、僕に相談に来てくださったんですね。
奥さんにはエラい反対されたらしいですけど(^-^;

で、そこから頑張ってくれた結果が、自費率9割で売り上げも以前と同じ。です

後ろめたい気持ちがなくなったのが嬉しい。と、この先生はおっしゃってくださいました。このセリフは、同じようにグレーな請求をやめた先生が口にされます。

これを聞くと僕はめちゃくちゃ嬉しい。

セミナーとかではよく話すことがあります。
売り上げが伸びました!も嬉しいけど、夫婦ケンカしなくなりました。とか、仕事が楽しくなりました。なんてほうがより嬉しいんですね。

なんかそっちのほうが、俺、仕事やったぜ!って気分になれるから

僕は承認欲求が強い小童ですので、あぁ必要とされている。ってな瞬間が嬉しいわけ。
それが満たされれば、あんまりお金もいらなかったりする。

あ、やっぱりお金欲しい。ゴメン、訂正。

 

なんしか、この先生の報告が嬉しかった。というお話でございます。
これからも、そういった報告がたくさん聞けるように気合い入れて頑張りたいですな。

 

このメルマガにいただいたご意見

加藤先生。いつも本当にためになるメルマガをありがとうございます。
勉強になり癒やして頂いています。●●●整体院の●●●●と言います。

ところで突然申し訳ありませんが、私は国家資格を持っていない民間の協会認定の整体師で、私の勉強不足のための質問です。

2月15日のメルマガの柔道整復師の方の記事ですが、美談のように書いておられますが、不正請求は犯罪ではないのですか?

私も柔道整復師の方の法律を勉強しましたが、犯罪ではないのであれば私の認識不足ですみません。

また、不正請求が犯罪ではないとして(国家に対して不正にお金を騙しとって犯罪でないとは思いませんが)今は自費診療ということですけども、過去に不正請求をしたことを書いていましたが、その患者さんたちにそのことを話されましたか?

また監督官庁に届け出の義務はありませんか?
不正請求分のお金を返納する義務はありませんか?

私たちの税金が不正に悪用されているんですよ?
加藤先生は不正請求をした方にそのことを話されていますか?

 

要約しますと

  1. 柔道整復師の法律では不正請求は犯罪か否か?
  2. 国家にお金を返納したか?しないでいいのか?
  3. 不正請求をした患者さんへの説明は100%しなくていいのか?
  4. 加藤先生は不正請求をしたことのある柔道整復師の方へ(1)から(3)を説明したのか?

不正請求は犯罪ではなくて、お金を国家から騙しとってOKで、それをしなくなったら良い子ちゃんですか?不正請求をしないことが普通ですよね?

不良が更生したら美談でよく語られますが、真面目な人が真面目に頑張っていることのほうが大事ではありませんか?
↑不良が更生したら美談、その不良にいじめられていた人の気持ちは考えませんか?

その不良が恐喝をしていたら、お金を返せば美談ですか?
返してその人が許してくれますか?
大きな消えない心の傷を背負わされたんですよ?

出来れば全てにお答えいただきたいですし、柔道整復師の方の意見も聞きたいですが、ひとまず(1)から(4)についてお答え頂ければ幸いです。

お忙しいところすみません。私、●●の見当違いであれば誠に申し訳ありません。
ご返信お待ちしております。

メルマガに載せるのであれば名前も公表して頂いて大丈夫です。
また嫌がらせの電話や攻撃はあるでしょうが(笑)

 

加藤からの返答

●●先生、ご意見ありがとうございます。
しかし、まぁ、なんとも答えにくいというか、痛いところを突かれました・・・

スルーするわけにもいきませんし、僕の伝え方の問題もありますので、ここでお答えしていきたいと思います。

柔道整復師の法律では不正請求は犯罪か否か?

ひとつずつお答えしていきます。
まず一つの、犯罪か否かについては、もちろん法的な罰則があるわけですから犯罪といって差し支えないと考えています。

もちろんペナルティもあります。療養費の取り扱いができなくなったりします。
ほんでもって名前もきっちり公表されちゃいます。
こんな感じに ⇒ 柔道整復施術療養費の受領委任の取扱いの中止(中止相当)措置一覧

 

国家にお金を返納したか?しないでいいのか?

今回、メルマガに登場した柔整師に関していえば、たぶん返納しておりません。
そもそも返したかどうかの質問なんぞしません。だから僕が勝手にそう思っているだけの可能性もあります。でもたぶん返納はしてないでしょう。

詳しい理由については後ほど書きますが、そもそもする必要はないような、あるようなです。

もちろん、厚生局から呼び出しをくらって、問題アリとされれば、返還義務が生じます。
実際に数千万単位で返還命令が出されるケースもあります。

今回、メルマガに書いた整骨院においては、なんの注意も受けていないわけですから、返還義務は生じないと考えるのが妥当です。

 

不正請求をした患者さんへの説明は100%しなくていいのか?

これに関しても道徳的に考えて、不正をしたのであれば、説明責任はあると考えます。

ただし、これものちほど説明しますが、なんにも特に問題になっていないわけですから、説明する必要はないと考えることも十分可能なわけです。

これに関しても後述します。

 

加藤先生は不正請求をしたことのある柔道整復師の方へ(1)から(3)を説明したのか?

ここが僕にとって、もっとも痛いところです。
基本的に、過去の行為についてクライアントに僕からとやかく言うことはありません。

これからはやめませんか?というお話はすることはあっても、過去にやったであろうことについて、わざわざ言及することはありません。

自費移行する際のテクニックとして、患者さんへの説明をしてもらうことがあります。
そこには療養費のより適正な請求うんぬんの話を入れてもらうことがあるので、その点においては説明ということにもなるかもしれません。

 

不正請求とはなにか?

まず、訂正しなければならないことがあります。
メルマガでは、クライアントの言葉通り「不正請求」という単語を使用しました。
本人が不正と言っているので、きっとその柔整師にの感覚ではとっては不正なのでしょう。

しかし、この不正請求とはなにか?という観点で考えると、必ずしも不正請求ではないとも考えられるのです。現在の運用的な観点から見ればという話で。

 

例えば不正請求といってもいろいろとあります。
こちらの記事を参照 ⇒ 柔道整復師、整骨院の療養費・保険不正請求を考える

参照記事で出てくるような、通院日数の水増しや、来てもいない人物の療養費を請求なんてのは問答無用で不正といえます。

でも、外傷か慢性かについて言えば、そう簡単には語れないのです。
なぜなら亜急性という、特殊な定義が入ってくるからです。

 

整骨院が主張する亜急性とはなにか?

この記事を読んでくださっているほとんどの方は柔整師なので、亜急性についての説明は不要だとは思いますが、今回の質問された先生にご説明すると、こうです。

亜急性とは、急性と慢性の中間という考え方だそうです。

負傷理由が明確な急性なら基本的に整骨院で療養費の請求が可能になります。
骨折・脱臼・打撲・捻挫などがこれに該当します。もちろんすべてOKというわけではなく、骨折や脱臼などは応急処置以外は医師の同意が必要になります。

しかし、単なる肩こりや腰痛といった慢性症状ならば療養費の請求はできません。

そこでどこからともなく現れたのが亜急性という謎の定義。

 

整形外科などで、亜急性を定義する場合は、負傷してから14日~21日あたりを指し、主に時間の経過をその定義の根拠としているようです。

それに対し、整骨院ではというと、よくわからんのだけど、反復性のある外からの圧力とかストレスに起因するものまでも亜急性と拡大解釈しているんですね。

※ここでは僕の考えで拡大解釈と記述していますが、「至極まっとうな定義だ!」という反論をお持ちの先生もたくさんおられるでしょう。
そこはここでは論ぜずに、そのまますすめますね。

 

たとえば、以下のようなものも亜急性と定義する整骨院が多いのです

  • 使いすぎによって痛くなった場合
  • 体の使い方の間違いによって痛くなった場合
  • 普段使ってなかった筋肉を急に使って痛くなった場合

こうなってくると一気にその範囲が広がるんですね。
そして現在のところ、多くの場合、亜急性はOKという認識で通っております。

 

冒頭の柔整師は不正請求を働いていたのか?

ではここで、最初に登場した僕のクライアントの柔整師の話に戻ります。
その先生は自分がやっていたことを「不正請求」だと語りました。

すべてを確認したわけではありませんが、この先生が「不正」と呼んでいるのは、慢性っぽい症状を強引に亜急性として療養費の請求をしたことを指していました。

しかし、この先生の基準から見れば「不正」かなと思ったとしても、別の柔整師から見れば余裕でセーフという認識もされ得るのです。

そして同業の柔整師だけでなく、厚生局が調べたとしても、問題なしという判断をされることも十分考えられます。(こっちは辻褄が合えばそれでOKということになるようですが)

 

実際のところ、「日数の水増しなどをしていました」という柔整師は、僕に相談してくださる先生に限っていえば、ほぼ、いません。もちろんどこまで正直に話しているかはわかりませんが。

ほとんどは、慢性っぽい症状を強引に新鮮外傷にしてました。って部類です。
たぶんすべての柔整師でみても、水増しなどを行っている人は、そこまで多くはないのでしょうか?(見積もりが甘いですかね(^-^;)

つまり、本人が自分を律する意味で「不正」という単語を使っているだけで、法的にみればなんの問題もない可能性は十分にあるという意味なのです。

 

ご質問いただいた整体師の先生へ

ご意見くださったことは至極まっとうなご意見であり、特に反論はありません。
不正に療養費を請求することは違法だし、過去にやっていたのであれば、それに対してなんらかの責任は取るべきだ。という考えは正しいと思います。

そしてそこに対してなんら言及しない僕の態度にも、違和感を感じるというのも、理解できるし、きっとそれが普通の反応だろうとは思います。

ただ、では今後は態度を改めて、柔整師に向かってビシバシ追求していくのか?といえばそれはできそうにありません。

 

その理由は、まず自分の商売に影響しそうだからです。

過去を清算させることでは利益は生まれませんが、未来を一緒に作ることは僕の利益になります。そして僕のやりたいことでもあります。

治療院業界全体の健全な発展も僕の望むところなので、そこから照らし合わせると、個別の先生に過去の清算を促すことは意義があることなのかもしれまん。しかし、その行動が自分にできるのかどうか、自分がやるべきことなのかがわかりません。

 

また、亜急性の定義もそうですが、治療院業界にはあいまいな定義や基準が多いのも事実です。つまり、どうとでもとれることが多すぎるのです。
これは治療院業界に限らずどこの業界、世界でもそうだと思いますが。

例えば、マッサージの定義なんかもそうですよね。

これは、柔整師に限らず、この業界に従事する人ならば理解していると思いますが、マッサージはあん摩マッサージ指圧師か医師しかできません。これはあはき法で明確に定められています。

でもその定義が曖昧なため、くるとこまで来ちゃった感があります。
リラクゼーションはマッサージとは違うからOKとなったと言っていい状況です。

その流れで、総務省の日本標準産業分類にリラクゼーション業が分類されています。
分類されればマッサージをやってもいいというわけではないですが、もうこれはちょっと揉むぐらいはOKやで。という状況ということでしょう。

さきほどマッサージの定義があいまいと書きましたが、一応厚生労働省も定義らしきものは出しています。

例えば、古いものでは昭和38年に出したもの

法第一条に規定するあん摩とは、人体についての病的状態の除去又は疲労の回復という生理的効果の実現を目的として行なわれ、かつ、その効果を生ずることが可能な、もむ、おす、たたく、摩擦するなどの行為の総称である。

— 昭和38年1月9日医発第8-2号

 

最近では平成15年に長崎県福祉保健部長の疑義照会に対して、厚生労働省医政局医事課長が以下のように回答しています。

特定の揉む、叩く等の行為が、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和22年法律第217号)第1条のあん摩マッサージ指圧に該当するか否かについては、当該行為の具体的な態様から総合的に判断されるものである。

御照会の事例については、その行為の強度、時間等によっては、同条のあん摩マッサージ指圧に該当する場合もあると考えられるが、御照会の内容だけでは判断できない。

しかし、施術者の体重をかけて対象者が痛みを感じるほどの相当程度の強さをもって行うなど、あん摩マッサージ指圧師が行わなければ、人体に危害を及ぼし、又は及ぼすおそれのある行為については、同条のあん摩マッサージ指圧に該当するので、無資格者がこれを業として行っている場合には、厳正な対応を行うようお願いする。

また、同条のあん摩マッサージ指圧が行われていない施術において、「マッサージ」と広告することについては、あん摩マッサージ指圧師でなければ行えないあん摩マッサージ指圧が行われていると一般人が誤認するおそれがあり、公衆衛生上も看過できないものであるので、このような広告を行わないよう指導されたい。

 

僕は整体院やカイロプラクティック院などのサポートもやっています。

これまたご存じのように、整体などには法的な担保はなにもありません。職業選択の自由があるからやりたきゃやってもいいけど、ケガはさせんなよ。というのが国のスタンス。

では、ここで僕がクライアントである整体師に向かって、「え?体重掛けて押圧してんの?ダメやんそれ。マッサージ師じゃないでしょ?過去に施術した人全部謝罪して回って来てください」

と言った場合はどうでしょうか?

おそらくは法的には僕に分がある発言になるかもしれません。でも、現実の解釈問題や運用実態から照らし合わせると、少し行き過ぎの発言になる。そう僕は考えています。

解釈や定義の問題ってそれだけ難しいんですね。
だからそれを相手に主張するのはそれだけの覚悟がいると思っています。
僕にはそこまでの覚悟がない。といえばそれまでかもしれません(^-^;

だから、実名載せてもらってもいいですよ。と断ったうえでご自身の考えを語れる先生は、とても素敵だと僕思います。

以上、お答えになっていましたでしょうか?

 

整骨院に従事する柔整師の先生へ

かなり長い記事になったにも関わらず、ここまで読んでくださってありがとうございます。
ここまで読んでくださってくれているということは、おそらくなんらかの想いや考えをお持ちだと思います。

今回、質問をくださった方は整体院を経営されている現役の治療家です。

この記事に書いた「亜急性」のことぐらい知っているわ!と思われたかもしれないし、そういう定義を持ってんのね。と思ったのかもしれません。

それはどちらかはわかりませんが、一般の方に関しては、まだまだ整骨院ってなにするところ?どういうときに行けばいいの?という認識の方が多いです。

これだけ頻繁に整骨院の不正請求のニュースが流れていても、どういったときに保険が適用できるのかについては詳しく理解している人は少ないでしょう。

それをいいことに、整骨院の不正請求が横行してきたわけですが・・・

 

正直、この業界の中にいる僕ですら、よくわかっていません。
今日の記事も認識不足な部分が含まれているかもしれません。
もしそうだったらすみません(*_*)

でもこれだけは言えることがあります。
今後、ますます一般の方はさまざな知識を深めていくことになります。

そうなっていくと、いい加減な療養費の請求も徐々に通用しなくなっていきます。
そうなってきたからグレーなことを止めるというのも変な話ですが、そこはしっかり意識したうえで、今後の整骨院経営を考えていくことは必要ではあります。

不正をしまくる整骨院だけが得をする業界ではなく、真面目に頑張る整骨院こそが活躍できる業界になっていくことを僕は望んでいます。

 

整骨院・接骨院集客経営コンサルタント、加藤

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