接骨院の自費導入について、ご質問をいただきました。「自費を導入しても、みんながそれをやるから結局いつか過当競争になって困るんじゃないの?」ってな質問です。
ありがとうございます。今回はこのご質問にお答えさせていただきます。まずはいただいた質問の全文を。
目次
いただいた質問|自費導入しても結局いつかは飽和になる?
いつもメルマガ読ませていただいています。ありがとうございます。
以前から質問させていただきたいと考えていたことについて、加藤先生の意見をお聞かせください。
自費の導入については、私も興味があります。たくさんの柔整コンサルタントがいらっしゃいますが、みなさん、口をそろえて自費導入を勧めてきます。
ただ、このまま自費の導入が急速に進むと、数年後には、自費専門の施術所が大幅に増えるものと考えています。(私見ですが、5年後には10倍くらい増えるのではないかと考えています)そうなると、数年後には結局集患に困る時代がやってくるのではないでしょうか?
当方、50代の柔整師ですが、いろいろな施術所を拝見してきました。施術スタイルを変えることで(特に柔整の場合)、追い風が吹いて一時は経営が盛り上がるものの、その後が続かないという施術所を数多く見てきました。現在の自費導入の流れも、同じような結末になるのではないでしょうか?
加藤先生ならば、ストレートな意見をお聞かせいただけるものと思い、失礼な質問かとは考えましたがメールさせていただきました。
先生のご意見をお聞かせいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
接骨院が生き残る道は3つ
ご質問くださった先生、ありがとうございます。ではさっそく僕の考えをお答えしてきますね。
まず大前提の考えとして、大半の整骨院・柔整師が今後生き残っていく道は以下の3つのどれかが中心になると僕は思っています。
- 業界全体で受療率を大幅に上げる
- 限りなくクロに近いグレーな請求を続ける
- 保険に頼らない自費治療で売り上げを伸ばす
もっとも楽観的な見方をするならば1番です。なんらかの理由により接骨院を利用する人が激増すれば、単純に患者さんの数が増えるわけですから売り上げもあがります。
しかしこれはそう期待できることではありません。となると残るは2番か3番。でも普通は2番は選択したくないと思います。オブラートに包みましたが、ほぼクロですから。
ということで3番の自費を伸ばす以外に、生き残る道がほぼないというのが僕の考えです。
他のコンサルタントの方がどういった意味合いで自費をすすめているのかはわかりません。なので僕の場合だけですが、まずは以上の理由があって自費導入をすすめています。
あとは、完全に自分の商売のためです。保険しかやってこなかった柔整師で、どうやればいいかわからんという方に僕の商品を提供すれば、柔整師も助かるし僕も儲かるという単純な理屈からです。
自費治療院が増えて集患に困る時代が来る?
ご質問してくださった先生が懸念される「結局集患に困る」状態に、どこまでなるかは正直言ってわかりません。もうすでにそうなっているとも言えますし、まだまだ厳しくなる可能性も大きいと考えています。
今後はこれまでよりは、保険に頼る接骨院ではなく自費導入をする院が増えるでしょう。ただ、そればっかりになるかはよくわからないのです。僕は、なんだかんだいって息の根を止められるほど保険が厳しくならないんじゃないかと思っています。
建前としては、現在でも厳しいです。外傷だけを保険で適正回数分診ていても、たぶん多くの接骨院で今の売り上げを確保できないでしょう。でも現実としてめちゃくちゃ多くの接骨院がそれで経営が成り立っています。
これのひとつの要因は、チェック体制そのものがまだできていないからだと僕は考えています。たとえば療養費の支給申請を電子化して、縦覧点検できるようになれば部位ころがしなんてのは一発でバレます。でもまだそこまでの体制が整っていないんですね。
つまり、建前と現実は違うということ。この状態は今の行政のスピードを考えると、そう簡単に終わることはないと思っています。
困るどころか生き残っていけない
質問をくださった先生がどうなのかはわかりませんが、多くの柔整師は競合を整骨院と考えています。確かに同業者は競合に間違いありません。しかし自費施術を行うようになると、その競合はいっきに広がります。
鍼灸やマッサージなど他の治療院、整体やカイロなどの施術院も大きな競合になるでしょう。しかもその競合はこれまでと違って、異業種から参入してきた業者になるかもしれません。それは2015年あたりからこの業界にも異業種が参入してくるようになったからです。
※こちらで詳しく書いています【治療院業界のこれから】
そういった意味では、「集患に困る時代」というのは必ず来ます。ただそれは、柔整師が自費を始めたからというよりは、強い競合がひしめく市場に柔整師が身を置かざるを得なくなった結果だといえます。
正直言って、保険だけで食べてきた柔整師は集客が下手な先生が多いです。未だに「いい治療をすれば患者さんは自然に増える」という考え方も根強く残っています。
そういった面から見ると「集患に困る時代」どころか、困るを通り越して生き残っていけないというのが、僕が現在持っている認識です。
自費治療でもやることやればうまくいく
自費導入を「進む」、保険診療のみを「残る」と表現するならば、まさしく進むも地獄、残るも地獄といったのが今の柔整師の置かれている立場かもしれません。もちろんこれはなにも考えずに漫然と過ごしていたらという意味で。
柔整師・整骨院全体で考えると、今回お伝えしたように明るいとはいえません。ただし、ちゃんとやればほぼ間違いなく生き残っていく道はたくさんあります。看板出しておけばそれだけで稼げる甘い時代が終わったというだけです。
僕の考える結論はこうです。
質問とけっこうズレた答えになってしまいましたが、伝わりましたでしょうか。。。参考になっていれば幸いです。
【追伸】この手の記事を書くとよく「保険使ってなにが悪いねん!」といった苦情をいただきますので、それについて少し。
僕は決して「保険=悪」という意味合いで書いているわけではありません。これだけ多くの柔整師が全員食べていくには、保険だけでは限界がある。だから自費も考えようぜ。という意味で書いています。
もちろんその中で、不正な請求をしている柔整師の存在も意識して書いています。そういった方へは、もうそろそろそれはやめましょうというメッセージも込めているつもりです。
整骨院・接骨院集客経営コンサルタント、加藤
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